中国史
『中国史』は、山川出版社の「新版世界各国史」シリーズの一冊として一九九八年に刊行された、中国の通史です。編者は中国古代史を専門とする尾形勇氏と、明清史を中心に研究してきた岸本美緒氏。古代から近現代までの流れを一巻にまとめた構成で、各時代を専門とする研究者が分担して執筆する形がとられています。
中国史を一度通して押さえておきたい読者や、大学の講義の下敷き、あるいは独学の土台として一冊を手元に置きたい読者に向いています。入門的な新書より踏み込みつつ、個別の時代を扱う専門書よりは全体を見通しやすい位置づけのため、すでに関心のある時代がある人が、その前後の時代とのつながりを捉え直す使い方もできそうです。
二〇〇八年十二月、ウィキペディアの「汪兆銘」の項目がはてなブックマークで二十四人に登録され、話題となりました。この項目では本書を含む五冊の本が挙げられており、日中戦争期の政治家をめぐる記述の裏づけとなる文献の一つとして参照される文脈で名前が挙がっています。刊行から時間が経った後も、調べものの基礎的な一冊として扱われていることがうかがえます。