六韜
『六韜』は、古代中国に生まれた兵法書です。周の文王・武王と、太公望呂尚との問答という形式をとり、武経七書の一つとして数えられてきました。戦場での用兵だけでなく、君主の心構えや人の用い方、国の治め方にまで話が及ぶ点が、この書物の特徴です。本書は林富士馬によるもので、中公文庫の一冊として二〇〇五年二月に中央公論新社から刊行されました。
『孫子』を読んだあとに、中国古典兵法をたどってみたい人に向く一冊です。組織運営や人材登用の話題として読む向きにも、手がかりは多いでしょう。出典のはっきりしない「兵法書の一節」が流通しがちな分野でもあるため、原典にあたって確かめたいという読み方もできます。
はてなブックマークでは、二〇二六年十月四日付のブログ「電脳塵芥」の記事を通じて注目が集まりました。外交の場で有能な使者を冷遇し、無能な使者を歓待するという、『六韜』に書かれたとされる言い回しを検証する記事で、二十六のブックマークが集まっています。本書が参照先として挙げられた形です。