決定版日中戦争
1937年から1945年まで続いた日中戦争を主題に、複数の書き手が分担して論じた新潮新書の一冊です。著者は近代日本の外交史・軍事史を専門とする波多野澄雄氏と戸部良一氏、財政史に通じた松元崇氏の三氏。「歴史観」とある通り、戦闘や外交の経過を時系列で追うだけでなく、この戦争がこれまでどう語られ、どう理解されてきたのかを問い直す視点が置かれています。本文は287ページです。
日中戦争について、なぜ始まり、なぜ長期化したのかを改めて考えたい方に向きます。軍事だけでなく外交や経済・財政といった異なる角度からの記述が併存するため、一人の著者による通史とは別の読み味を求める方にも手に取りやすいでしょう。日中戦争から太平洋戦争に至る時期を扱った本をすでに何冊か読んでいる方が、論点を整理し直す一冊としても使えます。
はてなブックマークでは、本書そのものではなく、日中戦争期の政治指導者である汪兆銘を扱うWikipedia記事が話題になった際に、関連する書籍の一つとして名前が挙がる形で目に触れています。その記事は22件のブックマークを集めました。